きっと今日は熱がある。
熱がでるとインフルエンザなのか風邪なのか、その熱は何度かむぎは自分でわかる。
よく、この特技は母を驚かしていた。
この感覚は絶対間違わないものだったから。
病名は風邪。今日の熱は8度2分だ。
結構酷いらしく頭は痛いは吐き気はするは…立っていることさえ実はかなり厳しい。
けれど、決して家事を休もうなんぞむぎは考えはしなかった。
一日休むだけで家事というものは恐ろしい量になることをむぎは知っていたからだ。
それは御堂家で一番よくわかったことであったかもしれない。
もう、一生風邪なんぞひかないと思ったのだがこの有様だ。
ここには御堂家のように散らかすような人はいない。
人数がまず違う、自分と彼の2人だ。
それに一哉程掃除の出来ない人でもない。
しかし、それは御堂家のラプリンス達に比べてであって…
食事も洗濯も掃除も、意外なほど今、一緒に住んでいる人はできはしないのだ。
いや、しようとしないのほうが正しいかもしれない。
それに、何より心配性の彼を困らせたくはなかった。
まだ、一緒に住みはじめたばかりなのだから。
□ 熱 □
サンダルをパタパタ鳴らせながら洗濯物を干す。
昼の太陽はこの寒い時期とてもありがたい。
しかし今日はただ寒いだけではない。
悪寒がするのだ。
本当は布団も干したかったがとても運べそうになかったので断念した。
あまりに静かなんでちょっと悲しい気もするがこういう日々はとても柔らかなものが心の中を満たす。
こういうのを幸せっていうんだとむぎはここでの暮らしが始まってから思う。
平凡がなかなか手に入らなかったむぎはただただこの時が永遠に続くことを祈っていた。
決してむぎは彼を信じていないわけではない。
けれど、今まで、大切な人は皆、いなくなっていった。
それは死であったり、旅立ちであったりもした。
誰も彼もが自分のことを置いていく…いつも私は独りになる運命なんだ。
そんな不安は何時も何処までも付きまとう。
ネガティブはやめよう!!
「よしっ!!」
意気込むとあまりの静かさにむぎは恥ずかしくなった。
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06.04.02