そのことにただ不満はなく…
□告白□
むぎは悩んでいた。
"葵と自分は付き合っている"のかどうかということに。
改めて考えると気付いた。
"付き合おう"なんて言われていない。
そしてむぎ自身も言っていないと。
そんな言葉がなくとも、付き合っている人々がたくさんいるのはわかっていた。自分と葵も彼らのように言葉にしなかっただけで付き合っている。そこに、不安はない。
けれど、ほしい時がある。
形にしてほしいときが。
そんな風なことにこだわるのは自分が精神面で子供であるからなのかもしれないとも、こんなのはただのわがままだともむぎは思う。
けれど…けれど不安なのだ。
葵は自分に引け目を感じている。
再会して、それを感じ取ったとき気にしないとむぎは言った。
"葵という存在"が好きなのだから過去のことは気にしないと。
そう言った時の葵の曖昧な笑みはなんだか苦しくて、その後むぎはなにも言えなかった。
そう、"気にしない"と言ったのは"むぎ"であって"葵"ではないのだ。
葵はいつも、"過去"への後悔を持っている。
それを前提として行動している。
後悔なんてどうにもならない。
むぎはそう思っていた。
しかし、それを言葉にすることを躊躇う。
言うだけなら、言葉にするだけなら簡単、だけれど、
葵は決してその言葉を受け止めはしても、受け入れてはくれないことを確信しているからである。
いつか、"過去への後悔"が"今"や"未来"をかき消してしまいそうだ。
どこまでも底のない不安にむぎは押しつぶされそうだった。
だから、"言葉"がほしかった。
すがり所として、ではなく、確かめるために。
言葉はうわべだけのものと、そうでないものの2つに分類されるとむぎは考えている。
簡単に言えば、本当か嘘。
2つはとても見分けがつきにくく、けれどその中身…本質は全く違う。
見分けがつきにくいものであるが、むぎは葵だけは、葵の言葉だけはその本質を見抜くことができる自信があった。
ただ、聞きたいという心もあるのだけれど。
「あの…」
恐る恐ると言う言葉がまさにふさわしい話しかけ方でむぎは言う。
恥ずかしいと言うのもある。
けれどやはり、不安であるからそういう話しかけ方になってしまう。
ここで拒否されれば、別れることとなるのだから。
「何ですか?」
優しく言われると、余計にむぎは怖くなる。
もう、言葉なんか必要ないから、
ただ、傍にいてさえしてくれれば…
逃げだとはわかっていながらも、むぎは言いたくないと強く思う。
信じてないわけではなくて、どうしようもなく好きだから。
「すみません。な、なんでもないです…」
「何でもないことないでしょう。聞きますよ」
"でも"なんて、そんな言葉が頭に浮かぶ。
何時だったか誰かが言っていた。
"でも"と言っているときは自分に言い訳しているとき、自分の気持ちから逃げているときであると。
そんなこと思い出しても、むぎの頭に今浮かんでいる言葉はそれだけで、だからそれ以外の言葉は思いつかなかった。
言うしかなかった。
「でも、その………子供っぽいし…」
「子供っぽくてもいいんですよ。教えてください、むぎさん」
その言葉に後押しされ、むぎは意思を固めた。
「私たち、付き合っていますか?」
葵はきょとんとした顔をしている。
むぎは葵の表情を読み取ろうと必死になっていた。
けれど、彼の表情はずっと抜けたままであった。
「ええっと…付き合っていないんですか?」
次はむぎがぽかんとする番であった。
むぎも、葵も、心が空白になっていた。
2人そろって間抜けな顔であった。
互いの顔を見て、まだ戻りきっていない間抜け面を見て笑った。
むぎも、葵も、
肩を震わして笑う。
一通り笑い終え、むぎは何が不安だったのか分からなくなりそうなくらいだった。
例え、過去に囚われていても、今、こうして一緒にいる。
そして、葵は前よりもずっと笑うようになった。
もう、形としてもらっている。
言葉ではなく、笑顔という形で。
言葉はもう、いらない。
そこまで欲張ってはいけないとむぎは思った。
そう思ったとき、
「そうか…そういえば、言っていませんでしたね」
葵は独り言のようにつぶやいた。
そして、むぎのおでこに唇を落とす。
ごく自然に、そっと。
「むぎさん、好きです」
唐突な行動に言葉。
「え」
「付き合ってください」
むぎは自分に起こった全てのことを理解するのに遅れた。
気付いたときは、ただ、嬉しくて遅れた分弾んだ声でむぎは返事をした。
今日、思いついて今日書いたので、多分手直し入りまくります…。
もともとかなり読みづらく、雰囲気のない文が輪をかけてやばいことになっていと思います。
4日くらい置いてから読まないと冷静に判断が下せません(葵さんへの愛だけで書いているので)
そのうち消すかも(マジな目
ここ変!!とかどうぞ言って下さい。では。
直す暇がなさそうなので、このままでいきます。ごめんなさい…
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06.04.10